要約
本論文は、ソフトウェア開発プロセスを動的に生成し、マルチエージェントシステムを活用して開発を行う枠組みを提案している。
インスタンス生成: LLMを用いて、ユーザの要求に応じた多様なソフトウェア開発プロセスインスタンスを生成する。
ソフトウェア開発: 生成されたインスタンスに基づいて、マルチエージェントシステムが協調して開発を行う。
インスタンスフィルタリング: コンパイラによるフィードバックを活用し、ヒューリスティックフィルタを用いてインスタンスの品質を向上させる。
LLM強化: 成功したインスタンスからプロセスモデルを抽出し、プロセステキストとして表現することで、LLMの動的プロセス生成能力を高める。
実験の結果、提案手法は5つのソフトウェア開発タスクカテゴリにおいて、GPT-3.5およびGPT-4の動的プロセス生成能力を大幅に向上させることが示された。
引用
"ソフトウェア開発は、異なる部門の個人が協力して高品質なソフトウェアシステムを開発する共同作業である。"
"既存の研究は、ソフトウェア開発プロセスをコード形式のフレームワークで固定的に設定しているため、より柔軟で変化の激しいソフトウェア環境に合わせてリアルタイムでソフトウェア開発プロセスを動的に調整することができない。"
"本論文では、プロセスモデルを活用してLLMにソフトウェア開発プロセスを生成させ、マルチエージェントに開発を行わせる枠組み「ToP」を提案する。"
提案手法では、成功したインスタンスのみを活用してLLMを強化しているが、失敗したインスタンスをどのように活用できるか検討する必要がある。
コンパイラ以外の外部フィードバック機構を導入することで、より包括的な品質保証が可能になるかもしれない。
提案手法をより複雑なソフトウェア開発タスクに適用した場合、どのような課題が生じるか検討する必要がある。