核心概念
本研究では、公平性を考慮した最大多様性化問題(FairDiv)に対して、定数近似アルゴリズムを提案する。提案手法は、近線形時間で動作し、線形空間しか使用しない。これは、従来の定数近似アルゴリズムと比べて大幅な効率化を実現している。
要約
本研究では、公平性を考慮した最大多様性化問題(FairDiv)を扱っている。入力として、d次元ユークリッド空間上の点集合Pと色集合Cが与えられる。各点pはある色c(p)∈Cに属する。目的は、点集合Sを選択し、Sの最小ペア距離を最大化することである。ただし、各色cjについて、Sに含まれる点の数は事前に指定された下限kj以上でなければならない。
提案手法の概要は以下の通り:
- 乗法ウェイト更新(MWU)法を用いて、(LP2)と呼ばれる新しい線形計画問題を近似的に解く。(LP2)は(LP1)と比べて効率的に解くことができる。
- 得られた fractional solution ̂xを用いて、ランダムな順序付けを行い、最終的な解Sを構成する。
- 提案手法は、定数近似比を持ち、かつ近線形時間で動作する。また、線形空間しか使用しない。これは従来手法と比べて大幅な効率化を実現している。
- 公平性は期待値の意味で満たされる。すなわち、各色cjについて、E[|S(cj)|] ≥ kj/(1-ε)が成り立つ。
- 十分大きな下限kjを設定すれば、公平性を高確率で満たすことができる。
統計
各点pについて、Sε
pは点pから距離γ/(2(1+ε))以内の点集合を表す。
制約(11)より、Σ_{pi∈Sε
p} xi ≤ 1が成り立つ。