核心概念
種子の影響力の違いが、ネットワーク上の情報カスケードの臨界点に大きな影響を及ぼす。種子近傍ノードと通常ノードの間の臨界点の違いにより、2つの臨界点が現れる可能性がある。
要約
本研究では、ワッツモデルの拡張版を用いて、種子の影響力が情報カスケードの臨界点に及ぼす影響を調べた。拡張モデルでは、種子に直接接続されたノード(種子近傍ノード)と、そうでないノード(通常ノード)の活性化閾値が異なる。
解析の結果、臨界点の出現と情報カスケードの規模は、以下の2つの要因に依存することが分かった。
- 種子の割合が十分大きい場合に、種子近傍ノードの間でカスケードが起こるほど巨大成分が形成されるか
- 活性化したノードが通常ノードの活性化を引き起こすほど、通常ノードの巨大成分が維持されるか
種子近傍ノードと通常ノードの巨大成分が共存する場合、2つの臨界点が現れる可能性がある。これは、最初の臨界点では種子近傍ノードの巨大成分でのみカスケードが起こり、2つ目の臨界点では通常ノードの巨大成分にも広がるためである。
シミュレーション結果は、この理論的な予測を支持している。
統計
種子の割合が10%を超えると、種子近傍ノードの巨大成分が形成される。
種子の割合が20%を超えると、通常ノードの巨大成分が消失する。
種子の割合が90%を超えると、種子近傍ノードの巨大成分も消失する。
引用
"種子の影響力の違いが、ネットワーク上の情報カスケードの臨界点に大きな影響を及ぼす。"
"種子近傍ノードと通常ノードの巨大成分が共存する場合、2つの臨界点が現れる可能性がある。"