核心概念
本研究は、Vlasov-Maxwell-Landau方程式の粒子-格子法を拡張し、Landau衝突効果を捕捉する新しい手法を提案する。この手法は、Landau演算子の変分構造を正則化することで導出され、質量、電荷、運動量、エネルギーを保存しつつ、(正則化された)エントロピーを増大させる。衝突効果は決定論的な有効力として現れるため、輸送と衝突の分離は不要である。この手法は任意の次元で適用可能であり、クーロン相互作用を含む一般的な相互作用にも対応できる。
要約
本研究では、Vlasov-Maxwell-Landau方程式の粒子-格子法(C-PIC法)を提案している。
まず、空間と速度の正則化スプラインを導入し、これを用いて以下の3つのステップで衝突項を離散化する:
粒子位置での正則化分布関数と速度勾配の計算
正則化エントロピー汎関数の速度勾配の計算
正則化Landau演算子の評価
この離散化スキームは、質量、電荷、運動量、エネルギーの保存、およびエントロピー増大の性質を保持する。
また、セルリストと確率的バッチ法を用いて計算効率を向上させる工夫を行っている。セルリストにより近接粒子間の相互作用を高速化し、確率的バッチ法により衝突項の計算コストを削減している。
最後に、Landau減衰、二流体不安定性、Weibel不安定性などの数値例を通して、本手法の有効性を示している。
統計
質量、電荷、運動量、エネルギーは離散レベルで保存される
正則化エントロピーは時間とともに増大する