核心概念
マイクログリッド内部ループの電圧および電流制御について、静止座標系と回転座標系の比較を行い、それぞれの特徴と性能を示す。
要約
本論文では、マイクログリッド(MG)アプリケーションにおける静止座標系と回転座標系の電圧および電流制御の実装について簡単な比較を行っている。
まず、階層制御の概要を説明し、内部ループの役割について述べている。内部ループは、電圧制御器と電流制御器から成り、PWMによって変調された信号を生成する。
静止座標系(αβ座標系)の場合、PR(比例共振)制御器を使用する。PR制御器は共振周波数付近で高い利得を持ち、定常偏差を低減できる。しかし、周波数変動に対して感度が高いため、適応型PR制御器が提案されている。
一方、回転座標系(dq座標系)の場合、PIコントローラを使用する。PIコントローラは直流信号の制御に適しているが、不平衡条件下では性能が低下する。そのため、正相と負相の電流を個別に制御する手法が提案されている。
シミュレーション結果より、両手法ともに良好な追従性と過渡応答を示すことが確認された。ただし、静止座標系ではTHDが高く、回転座標系ではTHDが低いという違いが見られた。
統計
静止座標系(αβ座標系)の出力電圧THD: 1.19%
回転座標系(dq座標系)の出力電圧THD: 0.41%