核心概念
本研究では、従来の固定値コードの一般化である「強力な固定値コード」の開発に取り組む。固定値コードでは、エンコーダーが事前に知っている固定値ビットの位置と割合を前提としていたが、本研究ではデコーダーがそれらを知らない状況でも、ほぼ最大の情報量をエンコードできる手法を提案する。
要約
本研究では、固定値コードの一般化である「強力な固定値コード」の開発に取り組む。従来の固定値コードでは、エンコーダーが事前に固定値ビットの位置と割合を知っているのに対し、本研究ではデコーダーがそれらを知らない状況でも、ほぼ最大の情報量をエンコードできる手法を提案する。
具体的には以下の3つのステップで進める:
存在定理: 任意の小さな誤差 ε > 0 に対して、ε-gapped強力な固定値コードが存在することを示す。
仮定付きの構成: デコーダーとの間で少量の誤りのない情報を共有できると仮定し、その上で効率的な強力な固定値コードを構成する。
最終的な構成: 仮定を外し、デコーダーとの情報共有なしでも効率的な強力な固定値コードを構成する。
これらの構成では、エンコーダーとデコーダーの計算量が多項式時間であり、エンコーダーが使用するランダムビット数も最適に近いことを示す。
統計
固定値ビットの割合をρとすると、提案手法の符号化レートは1-ρ-5/Cである。ここで、Cは定数。