核心概念
メモリスタを用いることで、軽量ブロック暗号の実装が可能となり、さらにサイドチャネル攻撃に対する効率的な保護機構を提供できる。
要約
本研究では、メモリスタを用いた軽量ブロック暗号の実装を提案している。具体的には以下の通りである:
GIFT暗号を対象として、メモリスタクロスバーを用いた実装を検討した。GIFTは置換-置換ネットワークに基づく暗号で、メモリスタクロスバーへの実装が容易である。
置換ボックス(SB)、XOR演算、置換操作をメモリスタクロスバー上に実装する方式を提案した。これにより、1回の読み出し操作で1ラウンドの暗号化を実行できる。
ラウンドキーの更新は事前に計算しておき、メモリスタに格納しておくことで、ランタイムでの更新を不要とした。これにより、エネルギー効率が向上する。
2種類のXOR実装方式(SXOR、DXOR)を検討し、DXOR方式が優れていることを示した。
40nm技術を用いた実装結果から、メモリスタベースの提案方式は、CMOS単独実装と比べて、エネルギー消費が約半分、面積も小さいことを示した。
さらに、メモリスタの不揮発性と再構成可能性を活用することで、サイドチャネル攻撃に対する効率的な保護機構を実現できることを示した。
統計
暗号化1ラウンドのエネルギー消費: 242 pJ
暗号化1ラウンドの面積: 0.0034 mm2