核心概念
大変形したシリコン電池粒子の周囲の固体電解質界面(SEI)内部の応力発生について、異なる弾性ひずみ定義を比較し、その影響を明らかにした。
要約
本研究では、シリコン電池粒子とその周囲のSEIの大変形を化学-機械結合モデルに基づいて解析した。特に、SEIの変形に対する弾性ひずみ定義の影響に着目した。
まず、SEIの変形をGreen-St.Venant(GSV)ひずみ定義で表した場合、数値シミュレーションが破綻した。一方、対数Henckyひずみ定義を用いることで、安定した数値解が得られた。
次に、対数Henckyひずみ定義に基づき、SEIの弾性変形に加えて塑性変形や粘塑性変形を考慮した。その結果、SEI界面近傍での応力過剰緩和が観察され、これは電圧ヒステリシスの原因となる可能性が示唆された。
全体として、SEIの変形を適切にモデル化するためには、弾性ひずみ定義の選択が重要であり、対数Henckyひずみ定義が有効であることが明らかになった。
統計
シリコン電池粒子の最大体積変化は300%に達する。
シリコン電池粒子のエネルギー密度は従来のグラファイト電極の約10倍である。
引用
"大変形したシリコン電池粒子の周囲のSEIは、繰り返しの膨張・収縮に伴い、破壊と修復を繰り返す。"
"SEIの弾性および塑性変形は、バッテリーのライフタイムと性能に大きな影響を及ぼす。"