核心概念
本論文は、並列接続された電池セル間のバラツキが存在する場合でも、高精度かつ高信頼性のモジュール状態推定を実現する新しい手法を提案する。
要約
本論文は、リチウムイオン電池モジュールの状態推定に関する新しい手法を提案している。
まず、情報理論に基づいた特徴量選択アルゴリズムを提案し、モジュール状態推定に最適な特徴量を見つける。次に、相関ベクトル回帰(RVR)に基づいたモデルを開発し、状態推定値とともに信頼区間も出力する。
提案手法を大規模な実験データに適用した結果、従来手法に比べて推定精度が大幅に向上し(RMSE 0.5%)、信頼区間も狭くなった(平均3σ 1.5%)。さらに、計算量も低く、オンボード実装に適している。
統計
並列接続された電池セル間のバラツキにより、モジュール全体の増分容量(IC)ピークが、モジュールの状態劣化度(SOH)と相関が低下する。
モジュール全体のICピーク高さは、SOHが異なるモジュールでも同じになる場合がある。
一方、SOHが同じでも、モジュール全体のICピーク高さが異なる場合がある。
引用
"モジュール全体のIC特徴量とSOHの相関が不明瞭になるため、一般化可能な手法が欠如している。"
"提案手法は、セル間バラツキの影響を受けにくい最適な特徴量を見つけ出し、高精度かつ高信頼性のモジュール状態推定を実現する。"