核心概念
60 GHz FMCW レーダーを使用して、移動および静止クラッターの存在下でも人の存在を正確に検出し、クラッターを分布外として識別する堅牢な手法を提案する。
要約
本研究では、60 GHz FMCW レーダーを使用して人の存在と分布外検出を同時に行う堅牢な手法「HOOD」を提案している。
まず、レーダーから得られるマクロおよびマイクロレンジ-ドップラーイメージ(RDI)を活用する。これらのRDIを入力として、マルチエンコーダマルチデコーダ構造のニューラルネットワークを用いる。エンコーダはRDIの特徴抽出を、デコーダは静的および準静的な人の活動に応じた再構成を行う。
さらに、呼吸検出手法「E-RESPD」を導入し、人の微小な体の動きまで捉えられるようにしている。これにより、人が意図的に呼吸を止めている場合でも人の存在を検出できる。
最終的に、再構成誤差に基づくしきい値処理によって、人の存在と分布外クラッターを同時に識別する。
提案手法は、さまざまな人の活動パターンや環境クラッターの存在下でも高い性能を発揮し、SOTA手法を大きく上回る結果を示している。また、Raspberry Pi 3B+でも実時間処理が可能であり、幅広い環境で活用できる。
統計
人の存在検出の平均AUROC: 94.36%
分布外検出の平均FPR95: 29.07%