核心概念
ロボットの把持と設置の提案を、オペレーターが直接指示できる明示的なインターフェースを提供することで、クラッタ環境でのタスク遂行を支援する。
要約
本研究では、ロボットテレオペレーションの支援インターフェースを提案している。従来の暗黙的な意図推定に基づく支援は、未知の環境やゴールが多数ある環境では性能が低下する。そこで本研究では、オペレーターが端末の向きを直接指示することで把持や設置の候補を生成する明示的な支援インターフェースを開発した。
ユーザ実験の結果、明示的な支援インターフェースを使用した場合、ピック失敗が減少し、認知的負荷が低下することが示された。また、オペレーターはこのインターフェースをより好み、自分の意図をより良く反映できると感じていた。一方で、暗黙的な支援との理解度の差は有意ではなかった。
提案手法では、ロボットの把持位置と姿勢を、オペレーターが指示した位置と法線方向に基づいて最適化する。また、並列計算を活用することで、高速に多数の候補から最適なものを選択できる。これにより、オペレーターの入力に即座に反応し、スムーズな支援を提供できる。
統計
ピック失敗の回数は、明示的支援の方が暗黙的支援や無支援よりも有意に少なかった。
設置失敗の回数も、明示的支援の方が無支援よりも有意に少なかった。
タスク完了率は明示的支援が最も高い傾向にあったが、有意差はなかった。