本研究は、渋滞課金制度の効率性と公平性を両立させるアプローチを提案している。
まず、非原子的ルーティングゲームモデルを用いて、異なる価値時間を持つ旅行者集団の均衡ルーティングを分析する。次に、4つの渋滞課金スキーム(hom、het、hom sc、het sc)を提案する。これらのスキームは、(a)料金の差別化の有無、(b)全ての道路区間への課金か一部区間への課金かの違いによって特徴付けられる。
hom と het では、総旅行時間を最小化する最適な課金価格の集合を線形計画問題によって特徴付けることができる。さらに、平均的な厚生と異なる集団間の格差を考慮した目的関数を最小化することで、具体的な最適課金価格を導出する。
一方、hom sc と het sc では、一部の道路区間への課金という制約条件のため、最適な課金価格を直接的に特定することは困難である。そこで、ヒューリスティックなアプローチを提案し、数値実験によってその有効性を示す。
最後に、サンフランシスコ湾岸地域の高速道路ネットワークを対象に、提案手法を適用し、各課金スキームの効率性、公平性、収入の観点から比較評価を行う。その結果、人口間の所得格差を考慮した差別的な課金(het)が、総旅行時間の最小化と公平性の向上の両立に有効であることが示された。
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