本研究では、開発途上国の都市部における交通利用者の交通モード選択行動をABMを用いてモデル化し、無料公共交通政策の導入が交通システムに及ぼす影響を分析した。
モデルでは、交通利用者がソーシャルネットワークから得た情報と自身の経験に基づいて、満足度と不確実性を比較しながら、繰り返し、模倣、熟考、探索のいずれかの戦略を選択して交通モードを決定する。
シミュレーション結果から、無料公共交通政策の導入により、公共交通の利用者割合が増加し、事故率、CO2排出量、平均旅行速度の改善が見られた。一方で、自動車利用者の一部は依然として自家用車を選択する傾向にあった。
政策導入前は、公共交通離れが進み、自動車・オートバイの利用が増加する傾向にあったが、政策導入によりこの傾向が抑制された。無料公共交通政策は、特に低所得者層の交通モード選択に大きな影響を及ぼすことが示された。
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