核心概念
OM/SCMプロフェッショナルに求められる主要な心理的特性は、「能力」、「チームワーク/市民性」、「リーダーシップ」、「計画性」、「慎重さ」などである。これらの特性は、組織の地域、規模、ポジションのレベルによって異なる傾向を示す。
要約
本研究は、OM(Operations Management)とSCM(Supply Chain Management)の専門家に求められる心理的特性を明らかにすることを目的としている。
分析では、以下の手順を踏んでいる:
5,113件の求人広告データを収集し、452件を除外した4,661件を分析対象とした。求人広告は、地域(欧州、北米、その他)、組織規模(小、中、大)、ポジションのレベル(初級、中級、上級)によって分類された。
求人広告のテキストデータに対してテキストマイニングを行い、Semantic Brand Score(SBS)指標を用いて、28の心理的特性の重要度を評価した。SBSは、語の出現頻度、多様性、連結性を考慮した指標である。
分析の結果、OM/SCMプロフェッショナルに最も求められる心理的特性は「能力」と「チームワーク/市民性」であった。また、地域、組織規模、ポジションのレベルによって、求められる心理的特性に違いがみられた。
例えば、欧州とその他の地域の求人では「チームワーク/市民性」が、北米の求人では「慎重さ」が重視される傾向にあった。また、中規模組織ではチームワーク、大規模組織では能力が重視される一方、小規模組織では計画性が重視される傾向がみられた。さらに、上級ポジションでは「リーダーシップ」と「計画性」が、初級ポジションでは「能力」と「多様性志向」が重視される傾向にあった。
このように、OM/SCMプロフェッショナルに求められる心理的特性は、組織の文脈によって異なることが明らかになった。人材マネジメントや採用戦略を検討する際には、このような特性の違いを考慮する必要がある。
統計
「OM/SCMプロフェッショナルに最も求められる心理的特性は『能力』と『チームワーク/市民性』である。」
「欧州とその他の地域の求人では『チームワーク/市民性』が、北米の求人では『慎重さ』が重視される傾向にある。」
「中規模組織ではチームワーク、大規模組織では能力が重視される一方、小規模組織では計画性が重視される傾向がある。」
「上級ポジションでは『リーダーシップ』と『計画性』が、初級ポジションでは『能力』と『多様性志向』が重視される傾向にある。」