核心概念
AntDTは、様々なタイプのストラグラーに適応的に対処するための統一的な分散学習フレームワークを提供する。
要約
本論文では、AntDTと呼ばれる自己適応型分散学習フレームワークを提案している。AntDTは以下の4つのコンポーネントから構成される:
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状態管理型動的データシャーディングサービス(Stateful DDS)
- データシャードを動的かつ細粒度にワーカーノードに割り当てる
- データの完全性を保証する
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モニター
- ノードの状態、アプリケーションの状態、その他の情報を収集する
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コントローラー
- 収集した情報に基づいて、ストラグラー緩和のための適切な対策を決定する
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エージェント
- ノードごとに配置され、モニターからの情報を収集し、コントローラーからの指示を実行する
AntDTは、データ割り当てや障害耐性の面倒な詳細を隠蔽しつつ、様々なストラグラー緩和手法を柔軟に組み合わせることができる。本論文では、非専用クラスタ向けのAntDT-NDソリューションと専用クラスタ向けのAntDT-DDソリューションを提案し、実験と実際の産業デプロイメントで高い効率性を示している。AntDTは、従来手法と比べて3倍以上の高速化を実現し、Alipayのホームページ推薦モデルの学習時間を27.8時間から5.4時間に短縮できた。
統計
非専用CPUクラスタでは、BSPモードとASPモードの学習時間がそれぞれ専用CPUクラスタの4倍以上遅い
非専用CPUクラスタでは、ワーカーノードの処理速度に大きな差がある
引用
"ストラグラーは分散学習の効率を大幅に低下させる問題である。ハードウェアの異質性やリソースの競合が主な原因となっている。"
"既存の手法は特定のタイプのストラグラーしか解決できず、様々なストラグラーに適応的に対処するフレームワークが必要である。"