本研究では、触覚義肢のための新しい手法として、空間的加算の原理に着目している。触覚の喪失は多くの医療状況で問題となるが、その多くには薬物治療や理学療法の選択肢がない。そのため、代替的な触覚フィードバックを提供する触覚義肢が注目されている。
手首や前腕は触覚義肢の設置に適した部位だが、指先に比べて機械受容器密度が低い。そこで本研究では、複数の圧力刺激を組み合わせることで、より広範囲の刺激強度を生み出すことができるのではないかと考えた。
予備実験の結果、1つの圧力刺激に比べて2つの圧力刺激を組み合わせた場合の弁別閾値が低下することが示された。これは空間的加算の効果を示唆するものである。今後、この原理を活用して触覚義肢の分解能と刺激範囲を向上させていくことが期待される。
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