核心概念
ハイパースペクトル医療画像の空間-スペクトル分類器を並列実装し、処理時間と消費電力の観点から評価した。
要約
本研究では、ハイパースペクトル医療画像の空間-スペクトル分類器を並列実装し、その性能を評価した。
まず、ハイパースペクトル医療画像データベースを用意した。このデータベースには、脳腫瘍手術と皮膚がん検査の2つの医療応用例が含まれている。
次に、空間-スペクトル分類器を構成する3つのアルゴリズム(主成分分析、サポートベクターマシン、K-最近傍フィルタリング)を、高性能GPU、低消費電力GPU、低消費電力マニーコアプラットフォームの3種類のハードウェアプラットフォームに実装した。
その結果、高性能GPUは処理時間の短縮に優れるが消費電力が高く、低消費電力GPUと低消費電力マニーコアプラットフォームは消費電力が低いが処理時間が長いことが分かった。
医療応用では、手術中の脳腫瘍切除では処理時間が重要であり、高性能GPUが適しているが、携帯型の皮膚がん検査では消費電力が重要であり、低消費電力プラットフォームが適していることが示された。
本研究の成果は、ハイパースペクトル医療画像処理システムの設計において、処理時間と消費電力のトレードオフを考慮する上で有用である。
統計
手術中の脳腫瘍切除では、処理時間が重要な要件である。
携帯型の皮膚がん検査では、消費電力が重要な要件である。