核心概念
本研究では、神経常微分方程式に基づく画像登録フレームワークを提案し、生物学的システムの動的特性化を支援する。このフレームワークは、各ボクセルを粒子として扱い、神経微分方程式の積分によって変形場を定義する。この手法は物理的前提を必要とせず、医療シナリオに適しており、画像系列データを用いて変形の軌道を正則化することができる。
要約
本研究では、神経常微分方程式に基づく画像登録フレームワークを提案し、生物学的システムの動的特性化を支援する。従来の画像登録手法は、移動画像と固定画像の1対1の登録を行うが、生物学的システムの動的特性は本質的に時間に依存する連続的なものである。
本フレームワークでは、各ボクセルを粒子として扱い、神経微分方程式の積分によって変形場を定義する。この手法は物理的前提を必要とせず、医療シナリオに適しており、画像系列データを用いて変形の軌道を正則化することができる。
具体的には以下の特徴がある:
- 画像系列全体を一度に登録することで、中間画像が変形の軌道を制約する
- 初期ラベルを系列全体に伝播できるため、ラベル付けの手間を大幅に削減
- 最適化目的関数やネットワークの選択が柔軟に設定可能
- 物理時間に応じた適応的なタイムステップサイズに対応
本研究では、心臓運動追跡と脳MRI縦断解析の2つの医療画像データセットを用いて、2Dおよび3Dシナリオでの有効性を実証した。
統計
心臓MRI画像シーケンスにおいて、ペアワイズ登録とシーケンシャル登録の比較では、シーケンシャル登録の方が平均輪郭距離(MCD)が小さく、ダイス係数が高い。
脳MRI縦断解析では、アミロイド陽性アルツハイマー病(A+ AD)群の方が、アミロイド陰性健常高齢者(A- CU)群に比べて、海馬の体積減少率が高い。