核心概念
本研究では、Romenski et al.の圧縮性バロトロピック二相モデルの数値解析のために、相対速度の渦なし性質を離散レベルで正確に保存する新しい二次精度の構造保存有限体積スキームを提案する。
要約
本論文では、Romenski et al.の圧縮性バロトロピック二相モデルの数値解析のための新しい二次精度の構造保存有限体積スキームを提示する。このモデルは対称双曲型熱力学的適合(SHTC)システムに属し、相対速度の渦なし性質を持つ。
提案するスキームは、主格子と双対格子を用いる階段状グリッド配置に基づいている。相対速度は頂点に、その他の変数は中心に定義される。これにより、離散レベルでも相対速度の渦なし性質が機械精度まで正確に保存される。
数値実験では、1次元リーマン問題、定常渦解、2次元円形爆発問題、ダムブレーク問題、ケルビン・ヘルムホルツ不安定性の解析を行い、提案手法の性能を検証した。全ての場合において、相対速度の渦なし性質が正確に保たれることが示された。
統計
1次元リーマン問題の初期条件:
αI = 0.7, ρI = 1.2449, ρII = 1.2969, uI = -1.2638, uII = -0.38947 (左)
αI = 0.3, ρI = 0.60312, ρII = 0.73436, uI = 0.43059, uII = -0.40507 (右)