Marino, A., Yang, H. N., Coti Zelati, F., et al. "Einstein Probe discovery of EP J005245.1−722843: a rare BeWD binary in the Small Magellanic Cloud?". The Astrophysical Journal Letters, 2024.
本研究は、アインシュタイン・プローブによって発見された新しいX線トランジェント天体EP J005245.1−722843の性質を、多波長観測データを用いて明らかにすることを目的とする。
2024年5月27日にアインシュタイン・プローブ/WXTによって発見されたEP J005245.1−722843に対して、EP/FXT、NICER、Swift/XRT、XMM-Newton/EPICによる追跡観測が行われた。得られたX線データに加え、過去のチャンドラによる観測データも合わせて解析が行われた。
これらの観測結果に基づき、EP J005245.1−722843は、白色矮星がBe星から物質を降着しているBeWD連星である可能性が高いと結論付けられた。アウトバーストの短い期間は、白色矮星がチャンドラセカール限界に近い質量を持つことを示唆しており、また、スペクトル中のネオンの特徴は、白色矮星がネオン-酸素白色矮星である可能性を示唆している。
BeWD連星は、大質量星の連星進化における共通外層段階や質量移動を理解する上で重要な天体であるが、これまで観測が困難であった。本研究は、アインシュタイン・プローブによる観測によって、BeWD連星のスーパーソフトアウトバーストを詳細に捉えることに成功した貴重な例である。
本研究では、EP J005245.1−722843のX線アウトバーストの詳細な観測結果が得られたが、白色矮星の質量や化学組成を明確に決定するには至っていない。今後、高分解能の可視光分光観測やX線分光観測を行うことで、白色矮星の性質をより詳細に調べることが期待される。
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