核心概念
学生エッセイの論証構造と品質の相互作用を分析し、質重視の論証ライティング支援の基盤を構築する。
要約
本研究は、学生エッセイの論証構造と品質の相互作用を分析するためのコーパスを提示する。
1,320件の学生エッセイを収集し、論証構造(談話機能、議論、要素、談話モード)と5つの品質側面(関連性、内容、構造、スタイル、全体)を専門家が手作業でアノテーションした。
アノテーションの信頼性は高く、論証構造レベル間や要素とモードの相関が明らかになった。
論証構造情報を活用することで、エッセイ品質の予測精度が向上することを示した。
これにより、質重視の論証ライティング支援システム開発の基盤が得られた。
今後は、特定の論証構造がどのように品質に影響するかの分析や、学生への有用なフィードバック生成などが期待される。
統計
本コーパスには1,320件の学生エッセイが含まれる。
1つのエッセイの平均トークン数は以下の通り:
序論: 20.43トークン
本論: 56.75トークン
結論: 15.38トークン
最も多く出現する要素はクレーム(1エッセイ平均2.38個)とポジショニング(1エッセイ平均1.33個)である。
引用
"学生が論証的な文章を書くことは難しい。文法やスタイルの基本に加え、議論の構成要素を意味のある形で選択し配置する必要がある。"
"これまで学生エッセイの論証構造とその品質の相互作用を分析した研究はなく、学生エッセイを対象としたコーパスも存在しなかった。"