核心概念
ウィキペディアの記事閲覧は、全体的な日周リズムを超えて、記事トピック、アクセス方法、ユーザ国籍などの要因によって特徴的な時間的パターンを示す。
要約
本研究は、ウィキペディアの大規模なアクセスログデータを分析し、ウィキペディア閲覧の時間的リズムについて新しい知見を得た。
まず、ウィキペディア全体の閲覧量は日周リズムに従うが、個々の記事の閲覧パターンはそれを超えて特徴的なリズムを示すことが分かった。
次に、主成分分析により、記事の閲覧リズムには典型的なパターンが存在することが明らかになった。しかし、記事間で明確な群れは形成されず、連続的なスペクトルを成すことが分かった。
さらに、記事トピック、アクセス方法、ユーザ国籍といった要因が、記事の時間的閲覧パターンと強く関連していることが示された。特に、ユーザの国籍がもっとも強い影響を及ぼしていた。
これらの知見は、ウェブ上の情報需要の時空間的な多様性を示唆しており、情報システムの設計に活かされるべきである。また、文化的な違いを反映した情報需要の解明にも役立つと考えられる。
統計
午前5時から6時にかけて、週末の平日に比べ閲覧数が最も少ない。
午後6時から9時にかけて、閲覧数が大幅に増加する。
モバイルデバイスからのアクセスは、デスクトップに比べ夕方から夜にかけて相対的に多い。
引用
"Wikipedia, in its role as the world's largest encyclopedia, serves a broad range of information needs."
"Temporal regularities of Wikipedia usage thus have the potential to reveal regularities of human necessities, telling us what humans care about, and what they are curious about, at what times."
"Crucially, however, individual articles deviate systematically from the baseline rhythm, with deviations themselves following periodic diurnal patterns."