核心概念
ファーブ平均非線形調和法の収束を加速する数値手法を開発し、圧縮機およびタービンの事例で明示的および陰的スキームの性能を比較した。
要約
本論文は、ファーブ平均非線形調和法(FNLH)の収束を加速する数値手法を開発した。FNLH は平均流と時間線形化された調和流れを周波数領域で連成的に解く手法である。
まず、平均流と時間線形化された調和流れの線形システムの類似性に着目し、メモリ効率的な解法を提案した。明示的および陰的な一般化ルンゲ・クッタ(RK)スキームを開発し、圧縮機およびタービンの事例で比較した。
結果として、陰的スキームは明示的スキームに比べて収束が良く、計算効率も7-10倍高いことが示された。また、メモリ消費も明示的スキームの50%程度に抑えられた。URANS解との比較では、陰的FNLHはURANSと同等の結果を得られるが、計算時間とメモリ消費は2桁小さいことが分かった。
統計
圧縮機ケースにおいて、陰的スキームは明示的スキームの4レベルのマルチグリッドに比べて、計算時間が約7-10倍高速である。
タービンケースにおいて、陰的スキームは明示的スキームの4レベルのマルチグリッドに比べて、計算時間が約10倍高速である。