本論文は、複素数を使った自動微分に関するチュートリアルである。
まず、実数値の自動微分の基礎を説明する。自動微分では、関数の微分を自動的に計算することができ、これは機械学習などの分野で重要な役割を果たしている。自動微分には順伝播型と逆伝播型があり、それぞれJacobian-vector積(JVP)とVector-Jacobian積(VJP)を用いて実現される。
次に、複素数を使った自動微分について説明する。複素数を2つの実数の組として表現し、実数値の自動微分を適用する方法(潜在的JVP)を示す。ただし、この方法では複素数の性質を十分に活かせないため、Wirtinger微分を用いた方法を紹介する。Wirtinger微分を使うことで、複素数の自動微分をより簡潔に表現できる。
さらに、Wirtinger微分を用いた逆伝播型の自動微分(潜在的VJP)について説明する。潜在的VJPを導出する際には、複素共役の扱いに注意が必要であり、2つの異なる慣例を紹介する。
最後に、本手法の短所について議論し、本チュートリアルの内容をまとめる。
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