核心概念
本論文では、乗法的線形論理(MLL-)の標準的な順序計算システムと深層推論システムの間の変換手順を詳細に検討し、標準的なモデル化アプローチが両システム間の変換に不変であることを示す。また、MLL-の証明可能な式に関する必要条件を明らかにする。
要約
本論文は以下の内容で構成されている。
序論
線形論理は定理証明や並行プログラミング言語の最適化などに応用可能な構成的論理である。
本研究の主な目的は、深層推論システムを用いて線形論理の性質を探索し、順序計算システムとの変換過程が標準的なモデル化に与える影響を調べること。
乗法的線形論理(MLL-)の順序計算システムと深層推論システムを比較し、両者の関係を明らかにする。
背景
MLL-の標準的な順序計算システムMLL-SCと深層推論システムMLL-DIを定義する。
順序計算システムは段階的な推論を行うのに対し、深層推論システムは任意の深さでの推論が可能。
両システムの違いを説明し、深層推論システムがカテゴリカルな設定に近いことを述べる。
MLL-の性質
MLL-の証明可能な式/sequentに関する必要条件を示す。これは文献では見つからなかった結果である。
深層推論システムでは明らかであるが、順序計算システムでは非自明である。
両システム間の変換
MLL-DIからMLL-SCへの変換手順を詳細に示す。
MLL-SCからMLL-DIへの変換手順も示す。
両変換手順は互いに逆にはならないことを指摘する。
モデル化
コヒーレンス空間を用いたMLL-の標準的なモデル化について詳述する。
先行研究では明確な記述が見つからなかったため、具体的な手順を示す。
両システム間の変換がこのモデル化に与える影響を検討し、不変性を示す。