核心概念
時間依存ツリーグラフにおいて、頂点間の最短経路時間の上限を満たすような周期的なラベリングを見つける問題は、NP困難であるが、入力ツリーの葉の数に関して固定パラメータ tractableである。
要約
本論文では、時間依存ツリーグラフにおいて、頂点間の最短経路時間の上限を満たすような周期的なラベリングを見つける問題(Periodic Upper-Bounded Temporal Tree Realization, TTR)を研究している。
まず、TTRはNP困難であることを示した。これは、(1)静的グラフにおける最短経路距離に関する古典的なグラフ実現問題とは対照的であり、(2)最短経路時間の正確な値が与えられる場合のTTRとも異なる計算量的挙動を示す。具体的には、TTRはツリーの直径が定数であるか、最大次数が定数であっても、NP困難である。
一方で、TTRは入力ツリーの葉の数に関して固定パラメータ tractableであることも示した。これは、長い次数2の頂点列がある場合でも、問題の複雑さに影響しないことを意味する。この結果を得るために、整数線形計画問題を利用し、葉の数に依存する関数個数の整数線形計画問題インスタンスを構築し、それらを解くことで、TTRの解を得る手法を提案した。
統計
ツリーの直径が定数の場合、TTRはNP困難である。
ツリーの最大次数が定数の場合、TTRはNP困難である。
入力ツリーの葉の数に関して、TTRは固定パラメータ tractableである。