核心概念
水熱合成法を用いて合成したMOS2-rGO複合体は、優れた水素発生反応活性を示す。
要約
本研究では、水熱合成法を用いてMOS2およびMOS2-rGO複合体を合成し、その特性を評価した。
XRD分析により、合成したMOS2は高結晶性の六方晶構造を有していることが確認された。FTIR分析では、Mo-S結合の存在が確認され、ラマン分光分析からもMOS2の生成が確認された。
これらの材料の水素発生反応(HER)活性を線形走査ボルタンメトリー(LSV)により評価した結果、MOS2およびMOS2-rGO複合体ともに低い過電圧と高い電流密度を示し、良好なHER活性を有していることが明らかになった。特に、MOS2-rGO複合体はMOS2単体に比べて優れたHER活性を示した。これは、グラフェンオキシドがMOS2の触媒活性を向上させる共触媒として機能したためと考えられる。
本研究の成果は、水熱合成法によるMOS2-rGO複合体の合成が、高性能な水素発生反応触媒の開発に有効であることを示している。今後、さらなる材料設計と反応条件の最適化により、より高効率な水素発生反応触媒の開発が期待できる。
統計
MOS2の(002)、(100)、(101)、(110)面に対応するXRD回折ピークが観察された。
FTIR分析では、889 cm−1、1360 cm−1、1607 cm−1にMOS2に帰属される吸収ピークが、493 cm−1にS-S結合に帰属されるピークが観察された。
ラマンスペクトルでは、368.96 cm−1と398.36 cm−1にそれぞれMOS2のE12g面内モードとA1g面外モードが観察された。
引用
"MOS2-rGO複合体はMOS2単体に比べて優れたHER活性を示した。これは、グラフェンオキシドがMOS2の触媒活性を向上させる共触媒として機能したためと考えられる。"
"本研究の成果は、水熱合成法によるMOS2-rGO複合体の合成が、高性能な水素発生反応触媒の開発に有効であることを示している。"