本研究では、気象予報モデルFourCastNetを活用し、高時空間解像度の気象データから地球規模の植生活動指数(NDVI)をモデル化する手法を提案した。
まず、FourCastNetの事前学習済みモデルを微調整することで、NDVIのモデル化性能が大幅に向上した。これは、事前学習段階でモデルが獲得した大気の状態に関する知識が植生モデリングに有効に活用できるためと考えられる。一方、スクラッチから学習したモデルでは性能が劣っていた。
次に、微調整時のパラメータ数や訓練データ量の影響を検討した。パラメータ数を制限しても性能はわずかに低下するものの、計算コストを大幅に削減できることが分かった。また、訓練データ量を増やすと性能が向上し、さらなるデータ活用の余地があることが示唆された。
最後に、提案手法の性能を既存の植生モデルと比較した。提案手法は、地域ごとに個別に学習したモデルよりも全体的な性能が高く、特に森林域での精度が良好であった。一方で、極域や裸地域での精度は相対的に低かった。これらの結果から、事前学習済み気象モデルを活用した植生モデリングは有効な手法であるが、さらなる改善の余地があることが分かった。
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