本研究では、広ギャップ球面クエット流における渦旋状態の可視化実験を数値的に再現した。
まず、Newton-Raphson法を用いて、アスペクト比η=1/2の球面クエット流における4つ折りの渦旋状態を数値的に解いた。次に、この渦旋状態中を浮遊するアルミニウムフレークの並進運動と回転運動を解き、フレークの配向に応じた光の反射を計算することで、実験で得られた可視化画像を再現した。
その結果、実験で得られた4つ折りの渦旋パターンを良好に再現できた。一方で、明暗パターンと流れ場の物理量との直接的な対応関係は見出せず、フレークの配向履歴を考慮する必要があることが分かった。具体的には、フレークの配向が流れのせん断に応じて変化し、その結果として得られる明暗パターンは、瞬時の流れ場の特徴を必ずしも反映していないことが示唆された。
本研究の成果は、複雑かつ時間変動の激しい乱流などの流れ場の空間構造や時間スケールを、可視化結果から定量的に推定する新たな手法の開発につながると期待される。
他の言語に翻訳
原文コンテンツから
arxiv.org
深掘り質問