本研究では、NREL S826翼型の失速および失速後の流れを対象に、スパン方向サイズの影響を調べた。
まず、迎角12度の場合、スパン方向サイズが0.12cと0.72cの2つのケースを比較した。その結果、空力係数はスパン方向サイズにほとんど依存せず、実験値や参考文献のLES結果とも良い一致を示した。圧力係数分布の比較からも、両ケースともに翼面上に層流剥離泡が形成されることが確認された。
次に、迎角20度の場合を検討した。この条件では、スパン方向サイズが大きな影響を及ぼすことが明らかになった。スパン方向サイズが0.06cから1cまで変化させると、揚力係数は1.7006から1.0107まで大きく変動した。スパン方向サイズが小さい場合、翼面上に持続的な渦が形成され、圧力分布が大きくずれることが原因と考えられる。一方、スパン方向サイズが1c以上であれば、渦が崩壊し、実験結果とよい一致が得られた。
同様の傾向は迎角25度の場合でも確認された。
以上より、翼型の失速および失速後の流れを正確に予測するには、スパン方向サイズを1c程度確保する必要があることが示された。単なる幾何学的な基準ではなく、スパン方向の積分長さスケールを指標とすることが適切であると考えられる。
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