核心概念
ビヨンド・ダイアゴナル型可変知能表面(BD-RIS)を用いた通信システムにおいて、効率的なチャネル推定手法を提案し、推定されたチャネル情報に基づいたビームフォーミング設計手法を示す。
要約
本論文では、BD-RISを用いた通信システムのチャネル推定とビームフォーミング設計について検討している。
まず、チャネル推定に関して以下の点を明らかにしている:
- 最小二乗法に基づくチャネル推定手法を提案し、推定誤差の最小化問題を定式化する。
- 提案手法では、パイロット系列とBD-RISパターンの最適設計を行うことで、理論的に最小の推定誤差を達成できることを示す。
- タイル単位でのチャネル推定を行うことで、推定オーバーヘッドを削減できることを示す。
次に、ビームフォーミング設計に関して以下の点を明らかにしている:
- 反射型BD-RISを用いた点対点MIMO通信システムにおいて、推定されたカスケードチャネルに基づいたビームフォーミング設計手法を提案する。
- ハイブリッド/マルチセクタモードのBD-RISを用いたマルチユーザMISO通信システムにおいて、推定されたカスケードチャネルに基づいたビームフォーミング設計手法を提案する。
シミュレーション結果より、提案手法によりチャネル推定誤差を最小化でき、推定チャネルを用いたビームフォーミング設計でも良好な性能が得られることを確認している。また、BD-RISの構造パラメータと推定オーバーヘッドおよび通信性能の間にトレードオフが存在することを示している。
統計
推定誤差の最小値は、σ2/Puの N ¯
M倍である。
チャネル推定オーバーヘッドは、KM ¯
M ¯
G−1シンボル長である。
BD-RISの回路複雑度は、( ¯
M + 1) M
2である。