本論文では、低コストで低消費電力のSIM(Stacked Intelligent Metasurface)をセル・フリーマッシブMIMOシステムに統合することで、システムの性能を向上させる手法を提案している。
まず、各アクセスポイント(AP)にSIMを統合することで、APの前処理の複雑性を大幅に低減できる。具体的には、各APアンテナは1つのユーザ装置(UE)に対応する1つのデータストリームのみを送信すればよく、複雑なデジタル前処理は不要となる。
次に、APアンテナ-UE間の関連付けと、APの送信電力制御およびSIMの位相制御を統合的に最適化することで、システム全体の合計レートを最大化する問題を定式化する。この問題は非凸最適化問題であり、解くのが困難である。
そこで本論文では、2段階のアルゴリズムを提案する。第1段階では、大規模チャネル状態情報に基づいてAPアンテナとUEを貪欲的に関連付ける。第2段階では、交互最適化(AO)アルゴリズムを用いて、APの送信電力制御とSIMの位相制御を別々に最適化する。
数値結果より、提案手法はベースラインと比べて合計レートを約275%向上できることが示された。また、APアンテナ-UE間の関連付けが重要であり、適切な関連付け戦略によって大幅な性能向上が可能であることが確認された。
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