核心概念
本論文では、TRIS送信機を用いた空間変調(SM)MIMO方式を提案し、その性能解析を行っている。提案方式では、TRIS制御器によりTRIS列を選択的に活性化し、PSK/QAM信号を放射する。受信機では最尤検出を用いて送信信号を復元する。理論解析と数値シミュレーションの結果から、提案方式は従来のSM方式よりも優れた平均ビット誤り率(ABEP)性能を達成できることが示された。さらに、ABEPを最小化する改良TRIS-SM方式を提案し、その性能も従来のTRIS-SMを上回ることが明らかになった。
要約
本論文では、TRIS送信機を用いた空間変調(SM)MIMO方式を提案している。
システムモデル:
TRIS送信機は、ホーンアンテナ、制御器、TRISパネルで構成される。
TRISパネルの列を選択的に活性化し、PSK/QAM信号を放射する。
受信機では最尤検出を用いて送信信号を復元する。
性能解析:
ベクトルベース(VB)アプローチとエレメントベース(EB)アプローチを用いて、条件付き対ビット誤り確率(CPEP)と無条件対ビット誤り確率(UPEP)の閉形式表現を導出した。
漸近的UPEP表現と多様性利得も導出した。
UPEPと距離ハミング距離を組み合わせてABEPの上界を導出した。
改良TRIS-SM方式:
最小ユークリッド距離を最大化するようにABEPを最適化した。
計算複雑度を低減するための簡略化された改良TRIS-SM方式も提案した。
シミュレーション結果:
提案TRIS-SM方式は従来SMよりも優れたABEP性能を示した。
改良TRIS-SM方式はTRIS-SMよりも信頼性が高いことが確認された。
統計
送信アンテナ数Nt = LN
受信アンテナ数Nr
TRISユニット数L
TRISの列数N
TRISの行数LN
変調次数M