核心概念
生細胞内の共局在するG4構造とR-ループは、転写活性の高い遺伝子の調節領域に広く分布しており、それらの形成と解消が遺伝子発現調節に関与している。
要約
本研究では、生細胞内の共局在するG4構造とR-ループを網羅的に解析した。
- ヒトHEK293細胞とマウス胚性幹細胞(mESC)において、G4構造とR-ループの共局在領域を同定した。
- 共局在するG4構造とR-ループは、細胞タイプ依存的に分布が異なり、転写活性の高い遺伝子の調節領域(プロモーターやエンハンサー)に多く存在することが明らかになった。
- ヘリカーゼDhx9は、共局在するG4構造とR-ループの形成と解消を直接的に調節しており、Dhx9欠損によりmESCの自己複製能と分化能が障害された。
- Dhx9は共局在するG4構造とR-ループ関連遺伝子の発現を調節することで、mESCの細胞運命決定に重要な役割を果たしていることが示された。
統計
生細胞内の共局在するG4構造とR-ループの多くは、転写活性の高い遺伝子の調節領域に局在する。
Dhx9欠損により、約6200個の共局在するG4構造とR-ループの信号が有意に変動した。
Dhx9は共局在するG4構造とR-ループの約70%に直接結合しており、その結合領域は主にプロモーターやエンハンサーに存在する。
引用
生細胞内の共局在するG4構造とR-ループは、転写活性の高い遺伝子の調節領域に広く分布している。
ヘリカーゼDhx9は、共局在するG4構造とR-ループの形成と解消を直接的に調節している。
Dhx9欠損はmESCの自己複製能と分化能を障害し、Dhx9関連の共局在するG4構造とR-ループ遺伝子の発現を変化させる。