核心概念
確率的リスク認識型固定時間制御リアプノフ関数(RA-FxT-CLF)と確率的リスク認識型パス積分制御リアプノフ関数(RA-PI-CLF)を導入し、それらを用いた制御設計により、確率的に固定時間内に目標に到達することを保証する。
要約
本論文では、確率的リスク認識型固定時間安定化の2つのアプローチを提案している。
まず、確率的リスク認識型固定時間制御リアプノフ関数(RA-FxT-CLF)を導入した。RA-FxT-CLFを用いた制御設計により、目標集合がある確率pg以上で固定時間内に安定化されることを示した。
次に、確率的リスク認識型パス積分制御リアプノフ関数(RA-PI-CLF)を提案した。RA-PI-CLFを用いた制御設計でも、同様に目標集合がある確率pg以上で固定時間内に安定化されることを証明した。
これらの理論的結果を検証するため、2つの数値例を示した。まず、2次元非線形システムの事例研究では、提案手法の正しさを確認した。次に、固定翼UAVの事例では、提案手法がリスクを考慮しつつ目標到達と障害物回避を両立できることを示した。
全体として、本論文では確率的リスク認識型の固定時間安定化手法を提案し、その有効性を理論的・数値的に示している。
統計
確率的リスク認識型固定時間制御リアプノフ関数(RA-FxT-CLF)を用いた場合、目標到達確率が0.55のとき平均収束時間は0.27、0.75のとき0.11、0.95のとき0.14であった。
確率的リスク認識型パス積分制御リアプノフ関数(RA-PI-CLF)を用いた場合、目標到達確率が0.55のとき平均収束時間は0.14、0.75のとき0.11、0.95のとき0.10であった。