核心概念
脳の機能的結合ダイナミクスは、時間的に独立しながら空間的に類似する複数のパターンから成り立っている。これにより、脳は並行して複数の情報処理チャンネルを活用できる。
要約
本研究は、同時記録された脳内皮質脳波(iEEG)と機能的MRI(fMRI)データを用いて、脳の機能的結合ダイナミクスの時空間的特性を明らかにした。
主な知見は以下の通り:
- fMRIとiEEGの各周波数帯域で得られる機能的結合パターンは空間的に類似しているが、時間的に独立して出現する。
- この時間的非同期性は、fMRIのヘモグロビン応答の時間特性を補正しても変わらない。
- 機能的結合パターンは、各データモダリティ・周波数帯域で固有の離散的な状態を反復的に示す。
- これらの知見は、脳の機能的結合ダイナミクスが時間的に独立した複数のチャンネルから成り立つことを示唆する。これにより、脳は並行して複数の情報処理を行うことができる。
このような多チャンネルの機能的結合ダイナミクスは、複雑な脳機能を支える上で重要な特性であると考えられる。
統計
fMRIとiEEGの機能的結合パターンの空間的相関は有意であるが、その効果量は小さい。
fMRIとiEEGの機能的結合パターンの時間的な同期性は、偶然レベルと変わらない。
各周波数帯域のiEEG機能的結合パターンの時間的な重複は小さい。
引用
"脳の機能的結合ダイナミクスは、時間的に独立しながら空間的に類似する複数のパターンから成り立っている。"
"このような多チャンネルの機能的結合ダイナミクスは、複雑な脳機能を支える上で重要な特性である。"