核心概念
側中隔の抑制性ニューロンが、下位の視床下部外側野ニューロンを抑制することで、痛覚伝達を抑制し、急性ストレス誘発性鎮痛を引き起こす。
要約
本研究は、急性ストレス誘発性鎮痛のメカニズムを明らかにしている。
側中隔の抑制性ニューロンは、拘束ストレスにより活性化される。
側中隔の抑制性ニューロンは、視床下部外側野のグルタミン作動性ニューロンを抑制する。
この側中隔-視床下部外側野回路の抑制は、痛覚伝達を担う延髄腹側縦束のニューロンの活動を低下させ、鎮痛効果を引き起こす。
側中隔ニューロンの活性化は、オピオイド依存的な機序を介して鎮痛効果を発現する。
拘束ストレス時の逃避行動が、側中隔-視床下部外側野-延髄腹側縦束の回路を介して急性鎮痛に変換される。
統計
拘束ストレス負荷により、側中隔のc-Fos陽性細胞数が有意に増加した。
側中隔の抑制性ニューロンの活性化は、熱痛覚閾値を上昇させ、熱痛覚行動を抑制した。
側中隔の抑制性ニューロンの活動抑制は、拘束ストレス誘発性鎮痛を阻害した。
側中隔-視床下部外側野回路の活性化は、鎮痛効果を示した。一方、視床下部外側野ニューロンの活性化は、逆に痛覚過敏を引き起こした。
引用
"側中隔の抑制性ニューロンは、拘束ストレスにより特異的に活性化される。"
"側中隔-視床下部外側野回路の活性化は、オピオイド依存的な機序を介して鎮痛効果を発現する。"
"拘束ストレス時の逃避行動が、側中隔-視床下部外側野-延髄腹側縦束の回路を介して急性鎮痛に変換される。"