核心概念
回転対称性を持つ絶縁体において、並進対称性の有無に関わらず、バルクのトポロジーを特徴付けるために、位置空間で局所的に定義されたトポロジカル結晶マーカーを導入し、従来の運動量空間ベースの解析手法では困難であった、欠陥や不均一な系におけるバルクトポロジーの診断を可能にする。
要約
回転対称を持つ絶縁体における大域的および局所的なトポロジカル結晶マーカー
本稿は、回転対称性を持つ絶縁体、特にバルクのトポロジーを特徴付けるための新しい手法を提案する研究論文である。
本研究の目的は、並進対称性を持つ系で有効な従来の運動量空間ベースの解析手法では困難であった、開放境界条件や結晶欠陥が存在する系におけるバルクトポロジーの診断を可能にする、位置空間で定義された指標を開発することである。
本研究では、回転対称性、特にCn回転対称性(n = 2, 3, 4, 6)を組み込んだトポロジカル結晶マーカーを導入する。これらのマーカーは、結晶対称演算子と基底状態への射影演算子を用いて定義され、位置空間で局所的に定義される。