核心概念
セプチンは外分泌複合体の細胞膜への局在化を制御し、適切な分泌小胞の標的化と融合を可能にする。
要約
本研究では、分裂酵母におけるセプチンと外分泌複合体の相互作用を明らかにした。
- セプチンと外分泌複合体は細胞分裂面に共局在し、互いに部分的に依存的な局在化を示す。
- セプチンは外分泌複合体の細胞分裂面縁への局在化を維持するために重要である。セプチンがない場合、外分泌複合体は細胞分裂面全体に広がる。
- AlphaFold2予測と共免疫沈降実験により、セプチンと外分泌複合体サブユニットの間に複数の直接的な物理的相互作用が存在することが明らかになった。
- セプチンの欠失により、分泌小胞の標的化と分泌小胞の内容物の局在が乱れ、細胞分離の遅延につながる。
- これらの結果から、セプチンが外分泌複合体の細胞膜への局在化を制御し、適切な分泌小胞の融合を可能にすることが示された。
統計
細胞分裂面におけるセプチンSPn1とExocyst複合体サブユニットSec3の共局在は、細胞分裂の進行に伴って変化する。
spn1Δ細胞では、Sec3、Exo70、Sec8などの外分泌複合体サブユニットの細胞分裂面縁への局在が減少し、細胞分裂面全体に広がる。
spn1Δ細胞では、分泌小胞マーカーYpt3とSyb1の細胞分裂面への局在が中心寄りに偏る。
spn1Δ細胞では、分泌小胞の内容物であるβ-グルカン合成酵素Bgs1の細胞分裂面中心への偏在と、β-グルカナーゼEngl1の細胞分裂面縁からの消失が観察された。
引用
"セプチンは外分泌複合体の細胞膜への局在化を制御し、適切な分泌小胞の標的化と融合を可能にする。"
"セプチンの欠失により、分泌小胞の標的化と分泌小胞の内容物の局在が乱れ、細胞分離の遅延につながる。"