本研究は、細菌の細胞間シグナル物質2-アミノアセトフェノンが、免疫細胞の代謝を変化させることで感染に対する耐性を誘導する機序を明らかにしている。
具体的には以下の知見が得られた:
2-アミノアセトフェノンは、免疫細胞であるマクロファージのATP とアセチルCoAの産生を低下させる。これは、2-アミノアセトフェノンによる免疫寛容状態の誘導に関連している。
2-アミノアセトフェノンは、ミトコンドリアのピルビン酸輸送体MPC1の発現を低下させる。これにより、ミトコンドリアへのピルビン酸取り込みが減少し、TCA回路とOXPHOSによるATP産生が低下する。
2-アミノアセトフェノンは、転写共役因子PGC-1αと転写因子ERRαの相互作用を阻害する。これにより、ERRαのMPC1プロモーター領域への結合が減少し、MPC1発現が低下する。
2-アミノアセトフェノンによる代謝変化は、感染に対する耐性を高め、病原細菌の持続感染を促進する。外部からATPを添加すると、MPC1とERRαの発現が回復し、細菌排除能が改善される。
以上より、細菌の細胞間シグナル物質が免疫細胞の代謝を巧みに操作し、感染に対する耐性を誘導することが明らかになった。この知見は、難治性感染症の新たな治療法開発につながる可能性がある。
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抽出されたキーインサイト
by Chakraborty,... 場所 www.biorxiv.org 02-29-2024
https://www.biorxiv.org/content/10.1101/2024.02.26.582124v2深掘り質問