核心概念
多数の参加者を持つ反復組合せオークションにおいて、機械学習を用いた選好の引き出しを効率的に行う手法を提案する。
要約
本研究では、反復組合せオークション(ICA)における選好の引き出しの効率化を目的とする。ICAsは、落札者と入札者の対話を通じて、限られた数のクエリで効率的な配分を目指す組合せオークションの一種である。選好の引き出しは、配分の結果を精緻化しながら入札者に束のバリュエーションを尋ねる手法であり、ICAsで一般的に用いられている。
近年、機械学習(ML)をICAsに統合することで、選好の引き出しが大幅に改善された。このアプローチでは、入札者数に合わせたMLモデルを用いて、入札者の効用関数を推定する。しかし、多数の入札者がいる場合で、クエリ数が限られている状況では、個別のモデル構築では非効率となる可能性がある。
そこで本研究では、マルチタスク学習の手法をML駆動ICAsに導入し、入札者間の効用関数の関係性を活用することで、効率の向上を図る。具体的には、モデルパラメータの共有化を提案する。また、入札者IDの特徴量を組み込むことで、個別の特性の捉えも可能とする。
スペクトラムオークションのシミュレータを用いた実験の結果、提案手法は既存手法よりも高い効率を達成することが示された。特に、多数の入札者と品目があるが、クエリ数が限られている状況で有効であることが確認された。
統計
多数の入札者と品目がある状況では、提案手法が既存手法よりも高い効率を達成した。