核心概念
規模に対して収穫一定の企業において、生産要素コストを最小化する際に労働費用分担率が一定である場合、その企業の生産関数はコブ・ダグラス関数でなければならない。
要約
コブ・ダグラス関数の特徴付けに関する論文要約
本論文は、リチャード・ヴェイル氏によって執筆され、コブ・ダグラス生産関数を一意に特徴付ける性質について論じています。
背景
コブ・ダグラス生産関数は、経済学において労働と資本という投入要素から企業や経済全体の産出量を記述するために広く用いられています。その関数の形は、Y(K,L) = AK^αL^(1-α) と表され、Aは技術水準、Kは資本投入量、Lは労働投入量、αは資本分配率を表します。
主張
本論文は、規模に対して収穫一定の企業において、生産要素コストを最小化する際に労働費用分担率が一定である場合、その企業の生産関数はコブ・ダグラス関数でなければならないことを数学的に証明しています。
証明の概要
- コブ・ダグラス関数は規模に対して収穫一定であり、費用最小化条件下では労働費用分担率が一定であることを示す。
- 規模に対して収穫一定であり、費用最小化条件下で労働費用分担率が一定であるような任意の生産関数を考える。
- 上記の生産関数がコブ・ダグラス関数と一致することを、偏微分を用いた計算によって示す。
結論
本論文は、コブ・ダグラス関数を特徴付ける新たな性質を提示しました。この結果は、コブ・ダグラス関数の理論的な裏付けを強固にするものであり、経済学における応用範囲の広さを示唆しています。
統計
生産関数は Y(K,L) = AK^αL^(1-α) と表され、Aは技術水準、Kは資本投入量、Lは労働投入量、αは資本分配率を表す。
労働費用分担率は wL / (wL + rK) と表され、wは賃金率、rは資本レンタル料を表す。
引用
"any firm with constant returns to scale which minimizes costs of production along each isoquant in such a way that the labour share of total cost wL/(wL + rK) is a constant which is independent of w, r, and the output level q must have a Cobb-Douglas production function."