核心概念
本論文では、線形計画問題に対する不正確な実行可能弧探索内点法を提案する。提案手法は、既存の不正確な実行可能線探索内点法よりも高い収束性を持つことを理論的に示す。また、数値実験の結果、提案手法は既存手法に比べて反復回数を3分の2に削減できることを示す。
要約
本論文では、線形計画問題に対する新しい内点法アルゴリズムを提案している。従来の内点法は、各反復で線形方程式系を正確に解いていたが、提案手法では近似的に解くことで計算コストを削減する「不正確内点法」を採用している。さらに、従来の線探索内点法ではなく、より効率的な「弧探索内点法」を組み合わせている。
具体的な提案手法の流れは以下の通り:
- 各反復で、線形方程式系を近似的に解いて、第1次微分と第2次微分を計算する。
- 得られた微分情報を用いて、中心経路の楕円弧近似を行う。
- 中心経路の楕円弧上の次点を選択する際、ステップサイズが一定の条件を満たすように決定する。
理論的な解析では、提案手法が多項式時間アルゴリズムであることを示し、また数値実験の結果、既存手法に比べて反復回数を大幅に削減できることを示している。
統計
線形計画問題の反復回数が、提案手法では既存手法の3分の2に削減できる。
引用
"提案手法は、既存の不正確な実行可能線探索内点法よりも高い収束性を持つ"
"数値実験の結果、提案手法は既存手法に比べて反復回数を3分の2に削減できる"