本研究では、自律走行における解釈可能性の向上を目的として、変分オートエンコーダ(VAE)と神経回路ポリシー(NCP)を組み合わせたアーキテクチャを提案している。
従来の自律走行システムは、エンドツーエンドの深層学習モデルやモジュール型のアプローチを採用してきた。モジュール型アプローチでは、各タスクを個別に最適化することで、システム全体の解釈可能性を高めることができる。本研究では、VAEをNCP制御モジュールの入力特徴抽出部に採用することで、さらなる解釈可能性の向上を目指している。
VAEは、入力データを低次元の潜在表現にエンコードし、その潜在表現から入力データを再構成するモデルである。VAEの潜在表現は、入力データの特徴を圧縮しつつ、解釈可能性の高い表現を学習する。この潜在表現をNCPに入力することで、操舵命令の生成過程をより透明化できる。
さらに、本研究では自動潜在変分ツール(ALP)を提案している。ALPは、VAEの各潜在変数がモデルの意思決定にどのように影響するかを自動的に分析し、可視化するものである。これにより、高次元の潜在空間における意味情報の解釈が容易になる。
実験の結果、VAE-NCPアーキテクチャは、CNN-NCPモデルと比較して、操舵命令の生成過程をより解釈可能な形で実現できることが示された。また、ALPツールを用いることで、各潜在変数の影響度を定量的に評価し、モデルの意思決定プロセスをより深く理解できることが明らかになった。
このように、VAE-NCPアーキテクチャとALPツールの組み合わせは、自律走行システムの解釈可能性を高め、安全性と信頼性の向上に寄与すると期待される。
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