核心概念
自然繊維の化学的・物理的特性を考慮した進化型遺伝的プログラミングツリーモデルを開発し、自然繊維の引張強度、ヤング率、伸び率などの機械的特性を高精度に予測することができた。
要約
本研究では、自然繊維の化学組成(セルロース、ヘミセルロース、リグニン、含水率)および微繊維角度といった固有の特性を考慮して、進化型遺伝的プログラミング(GP)ツリーモデルを構築し、自然繊維の機械的特性を予測した。
- 引張強度予測モデル:
- セルロース含有量、微繊維角度、ヘミセルロース含有量が主要な影響因子
- 微繊維角度が引張強度を44.7%決定する最も支配的な因子
- 伸び率予測モデル:
- 含水率が63%、ヘミセルロース含有量が29.4%と主要な影響を及ぼす
- セルロース、微繊維角、リグニンは伸び率に大きな影響を及ぼさない
- ヤング率予測モデル:
- リグニン含有量とヘミセルロース含有量が主要な影響因子
これらの予測モデルにより、自然繊維の機械的特性を実験を行うことなく推定できるようになり、バイオコンポジット材料の開発に役立てることができる。
統計
自然繊維の引張強度は、セルロース含有量が35.6%、微繊維角度が44.7%の影響を受ける。
自然繊維の伸び率は、含水率が63%、ヘミセルロース含有量が29.4%の影響を受ける。
自然繊維のヤング率は、リグニン含有量とヘミセルロース含有量の影響が大きい。
引用
"微繊維角度は自然繊維の引張強度を44.7%決定する最も支配的な因子である。"
"自然繊維の伸び率は、含水率が63%、ヘミセルロース含有量が29.4%の影響を受ける。"
"自然繊維のヤング率は、リグニン含有量とヘミセルロース含有量の影響が大きい。"