本稿は、文脈、判断、演繹という論理学における基本的な概念を、依存型理論と自然演繹という異なる視点から統一的に扱うことを目的としている。そのために、圏論を用いて「判断論理」と呼ばれる新しい枠組みを導入する。
まず、判断論理の構文として、文脈、判断、規則、ポリシーを定義する。文脈は対象の集まり、判断は文脈における対象の性質を記述するものであり、規則は判断から判断への変換を、ポリシーは規則の適用条件を規定する。
次に、判断論理の計算体系を定義し、依存型理論と自然演繹の計算体系が、この枠組みの中でどのように表現されるかを具体的に示す。依存型理論においては、型とその項の関係が、自然演繹においては、論理式間の entailment の関係が、判断論理の計算体系によって自然に表現される。
本稿の貢献は、依存型理論と自然演繹を統一的に扱える枠組みを提供しただけでなく、従来の枠組みでは明確に定義されていなかった「外延的な型構成子」の定義を与えたこと、証明論における構造規則の分析を深めたこと、証明が計算的に意味を持つ形で表現されていることなどが挙げられる。
本稿は、依存型理論、自然演繹、圏論的論理に興味を持つ研究者にとって重要な示唆を与えるものである。
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