核心概念
時間付き論理において、任意の時間区間内での事象の数え上げを表現する方法を明らかにした。特に、区間 ⟨a,b⟩ 内での数え上げを、区間 [0,b⟩ 内での数え上げを用いて表現できることを示した。
要約
本論文は、時間付き論理における数え上げ様相の表現力について検討している。
主な内容は以下の通り:
- 時間付き論理の概要
- 時間付き論理は古典的な時間論理に定量的な時間制約を追加したものである。代表的な時間付き論理にはMITLがある。
- MITL では単一の事象の発生を表現できるが、一定時間内での複数の事象の発生を表現することはできない。
- 数え上げ様相の表現
- 数え上げ様相(C, ←−C)は、一定時間内での事象の発生回数を表現する。
- 既存研究では、区間 [0,b⟩ 内での数え上げ様相は表現可能だが、任意の区間 ⟨a,b⟩ 内での数え上げ様相は表現できないことが示されていた。
- 任意の区間内での数え上げの表現
- 本論文では、Q2MLO (Monadic Second-Order Logic of Order and Metric) を用いることで、任意の区間 ⟨a,b⟩ 内での数え上げ様相を表現できることを示した。
- 具体的には、区間 ⟨a,b⟩ 内での数え上げ様相を、区間 [0,b⟩ 内での数え上げ様相を用いて表現する方法を提案した。
- Pnueli 様相の表現
- Pnueli 様相(P, ←−P)は、一定時間内での事象の発生順序を表現する。
- 本論文では、Q2MLO を用いることで、任意の区間 ⟨a,b⟩ 内でのPnueli 様相も表現できることを示した。
以上のように、本論文は時間付き論理における数え上げと Pnueli 様相の表現力を明らかにし、Q2MLO の表現力の高さを示した。
統計
時間区間 [0,b⟩ 内での事象の発生回数 k は、時間区間 ⟨a,b⟩ 内での事象の発生回数 k と同等の表現力を持つ。
時間区間 ⟨a,b⟩ 内での事象の発生順序を表現するには、Q2MLO を用いる必要がある。
引用
時間付き論理において、一定時間内での複数の事象の発生を表現することは重要だが、従来の時間付き論理ではそれが困難であった。
時間区間 ⟨a,b⟩ 内での数え上げ様相を、区間 [0,b⟩ 内での数え上げ様相を用いて表現することはできない。