核心概念
ストリートビュー画像は都市分析に有用な情報を提供するが、データの空間的・時間的・内容的な品質の課題がある。本研究では、ストリートビュー画像の情報品質を評価する枠組みを提案し、具体的な事例で評価を行う。
要約
本研究は、ストリートビュー画像を活用する都市計画の専門家へのインタビュー調査に基づいて行われた。インタビューの結果、ストリートビュー画像には以下のような課題が明らかになった:
空間的カバレッジ: ストリートビュー画像は道路沿いのみをカバーするため、歩行者専用道路や閉鎖地域などの情報が欠落する可能性がある。
時間的頻度: Google ストリートビューなどの主要サービスは年1-2回の更新頻度しかなく、時間変化の把握が困難である。一方、クラウドソーシングサービスは更新頻度が高いが、品質にばらつきがある。
内容の品質: 撮影デバイスの違いや撮影条件の変動により、画像の鮮明度や解像度にばらつきがある。これにより、画像解析による定量的な情報抽出が困難になる。
これらの課題に対処するため、本研究では以下の3つの属性に基づいて情報品質を評価するフレームワークを提案した:
空間品質: 道路ネットワークの網羅性を確率分布の距離で評価
時間品質: 特定地点の更新頻度を評価
内容品質: 画像の鮮明度や解像度などの特性を評価し、画像解析の精度を考慮
このフレームワークを用いることで、ユーザーの用途に応じた最適なストリートビュー画像データを選択・活用できるようになる。また、データ収集の改善に向けたインセンティブ設計にも活用できる。
統計
ニューヨーク市の196の郵便番号エリアにおける画像データの分布は、人口分布とは必ずしも一致していない。