核心概念
量子インスパイアードの2Dテンソルネットワークを使用して、IBMの最大量子プロセッサーであるEagle、Osprey、Condorを効率的かつ正確にシミュレーションできることを示した。
要約
本論文では、量子インスパイアードの2DテンソルネットワークであるグラフベースのPEPS (gPEPS)を使用して、IBMの最大量子プロセッサーであるEagle (127量子ビット)、Osprey (433量子ビット)、Condor (1121量子ビット)を効率的かつ正確にシミュレーションする方法を示した。
具体的には、IBMが最近Nature誌で報告した「kicked Ising実験」の量子多体系ダイナミクスをシミュレーションした。gPEPSを使用することで、極めて高精度な結果を非常に少ない計算リソースで得ることができた。また、127量子ビットシステムだけでなく、より大規模な433量子ビットと1121量子ビットのシステムについても、さらに長い時間発展まで正確にシミュレーションできることを示した。
さらに、無限の量子ビット数の場合についても正確なシミュレーションを行った。これらの結果から、gPEPSは、超伝導量子ビットに基づく量子プロセッサーのような格子構造の量子ビット接続を持つ量子コンピューターを効率的にシミュレーションするための自然なツールであることが分かった。
統計
127量子ビットシステムのシミュレーションに約2秒かかった
433量子ビットシステムのシミュレーションに約8.3秒かかった
1121量子ビットシステムのシミュレーションに約50秒かかった
無限量子ビットシステムのシミュレーションに約0.17秒かかった