核心概念
設定空間上のディラック演算子とそのユニタリー変換から、ヤン・ミルズ量子場のハミルトニアンが導き出せる。
要約
設定空間上のディラック演算子とヤン・ミルズ量子場の理論
本論文は、設定空間上のディラック演算子とヤン・ミルズ量子場理論の間に存在する関係を考察しています。
ディラック方程式とユニタリー変換
まず、ゲージ接続の設定空間上にディラック方程式を定義し、そのユニタリー変換からヤン・ミルズ量子場の自己双対セクターと反自己双対セクターのハミルトニアンが導き出せることを示しています。
設定空間上のディラック演算子に、チャーン・サイモン項を含むユニタリー変換を適用することで、ヤン・ミルズ場のハミルトニアンが得られます。
このユニタリー変換により、基礎となる多様体上の共変微分のスペクトル不変量である追加項も生成されます。
ボット-ディラック演算子とフェルミオンセクター
次に、設定空間上にボット-ディラック演算子を定式化し、その二乗からヤン・ミルズ量子場のハミルトニアンに加えて、量子化されたフェルミオン場を含むフェルミオンセクターのハミルトニアンも生成されることを示しています。
このボット-ディラック演算子は、ゲージ共変な形で定式化されています。
その二乗は、ヤン・ミルズ場のハミルトニアンと、フェルミオンセクターのディラックハミルトニアンの主要部分を生み出します。
スペクトル不変量
最後に、この枠組みで現れるスペクトル不変量について議論しています。
フェルミオンセクターのハミルトニアンを正規順序すると、共変微分のスペクトル不変量が現れます。
このスペクトル不変量は、フェルミオンセクターの真空エネルギーの役割を果たします。
本論文は、設定空間上のディラック演算子とヤン・ミルズ量子場理論の間に深いつながりがあることを示唆しています。これは、ヤン・ミルズ理論の非摂動的な定式化に向けて新たなアプローチを提供する可能性があります。